2012年4月30日月曜日

日本栄養士会の会議で東京へ!

    4月29日・30日と(社)日本栄養士会の諮問会議が招集され、上京しました。栄養士会はいうまでもなく、栄養士や管理栄養士を会員とする組織ですが、都道府県栄養士会はそれぞれ独立した社団法人であるため、これまで、都道府県栄養士会長が集まる日本栄養士会の会議は、法人会員会と呼ばれていました。日本栄養士会も6月に公益社団法人に移行する予定ですが、公益法人化に伴い、これまでの法人会員会が諮問会議になります。長野県栄養士会の会長は、現在、日本栄養士会の理事であり、諮問会議には日本栄養士会側のメンバーとして出席されるため、諮問会議には、各県の会長さんに混じって、長野県からは副会長の私が出席するというわけです。
    長野県栄養士会はすでに4月1日から公益社団法人に移行していますが、本年度中には、日本栄養士会はもとより、すべての都道府県栄養士会が公益社団法人に移行するという報告がありました。都道府県全ての会がそろって公益法人になるのは、医療系団体の中でもめずらしいのだそうです。各県の会長さんたちとの情報交換から、同じ公益社団法人といっても都道府県の指導のもと、それぞれ特徴があり、会長さんほかリードされてきた方々の熱意の賜物であることを感じました。この会議に出席すると、毎回、たくさんことを考えさせられ、教えてもいただきます。これから松本大学を卒業生して管理栄養士になっていく学生たちのためにも、何をなすべきか考えていかなければなりません。
「スカイツリー」ラベルのビール
小さくてわからないですね。すみません!!
     29日の夜には諮問会議の交流会が催されましたが、その会では、東京スカイツリーの特別ラベルが付いたビール瓶が並びました。今回は、連休の影響で混まないうちに帰路につこうと決めていましたので、東京スカイツリーを見ることはできませんでしたが、またそのうちに・・・と思います。
    JR東日本の新幹線に乗るとき、座席に用意されているトランヴェールという広報誌の最初のページにあるEKIBENギャラリーを見るのが楽しみです。東京に向かう新幹線では4月号があり、岩手県の特集でした。長野へ向かう帰りの車中では山形県特集の5月号に変わっていました。岩手県は7月に盛岡で開催される学会に出かけることになっているので、また、山形県はいろいろな縁があってとても親近感を持っている県であることと、特集が山形県の伝統野菜であったため、どちらも持ち帰らせてもらいました(もちろん、「ご自由にお持ち帰りください」となっているのですよ!)。
    往路の新幹線では会議資料を見ていたので、車窓に目を向けるゆとりはなかったのですが、帰りは、流れゆく景色を楽しんできました。東京を出て碓井峠を越えるまでは新緑、軽井沢はまだ芽吹きが始まったばかり、川中島のあたりは桃の花と菜の花が花盛りでした。長野市近辺の新緑の最盛期は数日後になりそうです。

2012年4月28日土曜日

開学記念祝賀会、長野県体育協会と長野県栄養士会の公益法人化

松本大学開学10周年、松商短期大学部開学60周年
を記念して作成されたロゴマーク
  今年は、松本大学開学10周年、松商短期大学部開学60周年にあたる記念の年です。以前ご紹介した「大学は美味しい!!」フェアへの参加は、周年事業の一環として実施されます。今後、講演会等も開催される予定です。
  27日の夜、松本市のホテルブエナビスタで開学記念日の祝賀会が開かれました。学校法人松商学園の藤原理事長様から開学の経緯に関するお話があり、私学でありながら地域立大学といわれる本学の立ち位置を再認識しました。歓送迎会も兼ねていましたが、本年、人間健康学部を転出されたお二方の先生は欠席されたので、お目にかかれず残念でした。それぞれ、新しいところでご活躍のことでしょう。
  実は、26日の夜にも長野市のホテル国際21で開催された祝賀会に出席していたので、2夜連続のパーティでした。26日は、長野県体育協会が公益財団法人に移行したことをお祝いする300人ほどが参加した大きな祝賀会でした。私は長野県栄養士会の副会長として出席しました。いや、違うかも。長野県栄養士会を代表して、長野県体育協会「体力向上・スポーツ医科学専門委員会」の委員になっているので、ご案内があったというのが正解かもしれません。いろいろな競技団体の方々とお話して、以前に比べると、スポーツ選手の栄養サポートが競技力の向上に重要であるという認識や期待は、ずいぶん高くなっていると感じました。
  健康栄養学科には、毎年、必ず、スポーツ選手の栄養サポートをしたいという学生が入学し、ゼミナール等で、学習や活動を進めている学生もいます。どの管理栄養士養成大学でもそういう学生は少なからずいるようです。残念なことに、現時点では、それを職業としている管理栄養士さんはとても少ないというのが実情です。
  今年は、公益財団法人「長野県体育協会」も栄養サポートに前向きなようですから、長野県栄養士会のメンバーでそのプログラムを支援して実績を積み上げ、スポーツ栄養サポートにかかわりたいという学生たちの夢を実現するための布石にしたいと考えています。

 ところで、この4月から長野県栄養士会も社団法人から、公益社団法人に移行しました。これまでもPublic Healthに貢献できるよういろいろな事業をしてきましたが、今まで以上に、私たちの専門性を活かした公益目的事業を意識していく必要があります。公益社団法人「長野県栄養士会」の会員の皆様だけではなく、学生たちにもそのことを伝えていかなければと思います。

2012年4月25日水曜日

トキのひなとエゴノリ

     新潟県の佐渡で、野生復帰をめざして放鳥した特別天然記念物のトキに、ひなが誕生したというニュースが報じられています。人工飼育施設ではなく自然界でひなが誕生するのは、36年ぶりとのことです。
    大学教員として着任した時にご指導いただいた先生がエゴノリの研究をなさっていたので、私もこの海藻の調理性や物性などについて研究しました。エゴノリはホンダワラやコンブなど、大型の海藻に着生して育つ紅藻類の一種です。昔はテングサとともに、寒天の材料としても使われていたそうです。
    長野県は南北に長く、嶮しい山々や急峻な川などにによって区切られている地域ごとに、多様な食文化が受け継がれてきました。県内では、エゴ(イゴと呼ぶ地域もあります)料理について話がはずむ地域と、「何ですか、それ?」と言われてしまう地域とがあります。「海なし県の長野県で海藻料理ですか?」と思いますよね。長野県では、主として、北信濃の県境から飯山を経て長野あたりまでと大町以北の大北地域など、日本海からの塩の道にそってエゴノリ料理を食べる地域が広がっています。
    葬祭などの折の行事食として、エゴノリを煮溶して羊羹のように固め、それを切って酢味噌やワサビじょうゆなどをつけていただく地域が多いようです。洗ってそのまま煮溶かし、見た目こんにゃくのように固める場合と、水洗いしては天日に干して色素を抜いて「白エゴ」にしてから食べる地域とがあります。福岡県の「おきゅうと」も同じエゴノリ料理ですが、長野県とは食べ方は違っています。興味深いですね。
    エゴノリの研究をしていた時、長野県に入ってくるエゴノリの産地を訪ねようということで、佐渡の海にいって調査をしました。といっても当時若かった私は、海で泳いでいて、同行した先生方にあきれられてしまったのですが・・・。トキの話題を聞いて、何年ぶりかで佐渡に行ってみたいと思いました。でも、トキの自然界での繁殖については、長野県にもトキが飛んでくるようになる日まで、もう少し静かに見守っていたほうがいいのかもしれません。当面は、佐渡の海を眺めにいくと考えることにしましょう!!

2012年4月21日土曜日

「大学は美味しい!!」フェアに向けて

    日当たりのよい場所にある大学の桜が満開となりました。季節は進んでいます。つぼみ、五分咲き、満開、散り初めと姿を変えていく桜は、その変化につれ、いろいろな感情を引き出してくれるふしぎな花です。
    私が大好きな「萌黄と新緑」の季節が過ぎ、信州が青葉の季節になる頃、松本大学は新宿高島屋を会場として催される「大学は美味しい!!」フェア(5月30日~6月5日)に出店する予定です。今、準備が進んでいます。
    健康栄養学科からは、食品学の矢内和博研究室が開発した安曇野産の信州サーモンと山葵とコシヒカリとそばの実を使った「葵宝寿司(あほうずし)」と、地域健康支援ステーションが学生とともに販売促進のための情報提供に関わった松本市中山のんびりの里づくり協議会の「菜の花の油」と須坂市コモリ餅店の「フルーツおこし」を出品します。総合経営学部観光ホスピタリティ学科の白戸洋先生のゼミが商品開発に取り組んできた鶏肉の「山賊焼」も販売されることになっています。
    20日には、松本大学の店舗のマネジメントを担当してくださる松本大学松商短期大学部の金子能呼先生のゼミ生に、地域健康支援ステーションが関わった商品の説明をするミーティングが開催されました。短大の学生の皆さんは熱心にメモを取りながら聞いてくださいました。その学習姿勢がとてもすばらしく、感心してしまいました。
    平成21年度、松商短期大学部と私たち健康栄養学科は、ともに「平成21年文部科学省 大学教育・学生支援推進事業【テーマA】大学教育推進プログラム」に採択されました。健康栄養学科のプログラムは「食の課題解決に向けた質の高い学士の育成-地域の食に関する課題解決への意欲と実践的能力を有する食の専門家の育成-」というテーマでした。短期大学部のプログラムは「メモ力育成を核とした単位制度実質化の取組」というテーマ名で、申請が同時期だったこともあり、実質的な教育推進の取組に注目していました。
    ミーティングに参加している学生の皆さんの様子を拝見しながら、その取組が教育成果に結びついていることを実感しました。「大学は美味しい!!」フェアは、学部の枠を超え、学生がともにつくっていくイベントになります。健康栄養学科の学生が短大の皆さんのメモ力について学ぶ場としても機能してくれるといいなあと思います。

2012年4月18日水曜日

カップラーメンはお好きですか?

     皆さん、カップラーメンはお好きですか? よく召し上がりますか?
  ここしばらく、卒研ゼミ生2人とカップラーメンについて議論しています。彼女たちはスポーツ選手の栄養サポート活動に取り組んでいますが、サポートしようとしている選手の皆さんは昼食や夜食にカップラーメンを食べることが多いのだそうです。エネルギーを確保するという点では悪くはないのですが、1日の食事の中にカップラーメンだけの食事があると、スポーツ選手にとって重要な栄養素であるたんぱく質やビタミン、ミネラル等の必要量を充たすことは難しくなります。そこで、何らかの働きかけをして、必要な栄養素を確保してほしいと考えているわけです。
  学生食堂で複数の料理を取り合わせて選んでほしい、カップラーメンでもいいので小鉢物も取り合わせてみてはどうでしょう、カップラーメンに卵をのせてみるなんていかがでしょうか・・・と、いろいろ言ってみても、「単一カップラーメン」志向を変えるのはなかなか難しいと、彼女たちは悩んできます。どうしてカップラーメンを食べたくなるのか、男子学生にリサーチしてみようということになりました。「カップラーメンはお湯を入れるだけで手軽」、「混んでいる学食を利用する気にならない」、そして「濃厚な味が捨てがたい」などの意見があったそうです。

1998年当時ソロモン諸島国の首都にある店で販売されていた
インスタントラーメン。よく見るとNISSINではなく
NISSAN NOODLEと表示されています。 
日本の自動車産業はすごいです!

  それを聞いて思い出したことがありました。私は1994年と1998年にソロモン諸島国という南太平洋の島国に行ったことがあります。第2次世界大戦の激戦地だったガダルカナル島という地名を聞いたことがありますか? ソロモン諸島国の首都であるホニアラはそのガダルカナル島にあります。歯科保健活動を進めるにあたり、食事のことをみてほしいという依頼をいただいて同行させていただきました。イモ類が主食で、ココナッツミルクなどを使ったマイルドな味の食文化をもっていた国に、インスタントラーメンが普及しつつありました。私たちが訪れたとき、現地の方は、インスタントラーメンライスをごちそうとしてふるまってくださいました。インスタントラーメンの濃厚な味は、ソロモンの人々にとって、とてもインパクトのあるものだったのだろうと思います。
  インスタント食品のような便利さの裏に潜んでいる問題点もあるということを経験してきた者として、守り続けてきた文化に目を向けることの大切さを伝えたいと思いました。しかし、ソロモンの人々が便利さや強烈な旨味に魅力を感じるのを「だめです」というのは傲慢なことのようにも思えました。
  10年以上の年月が過ぎましたが、ソロモンの人々の食生活はどんなふうに変わっているのでしょう?

カップラーメンが大好きで毎日食べても大丈夫という皆さん! 教えていただけますか? 皆さんの食事をみなおすとして、どんなことだったら試してもみてもいいと思いますか?

2012年4月15日日曜日

My weekend

    あたたかな日差しの日曜日です。どうしても午前中に終わらせたかった用事を済ませ、その帰り道、自転車を走らせながら道端で花盛りとなっているオオイヌノフグリやヒメオドリコソウに春らしさを感じました。しばらく草花を愛でる時間もゆとりもなかったなあと思いました。そういえば、さくらのつぼみもようやく膨らんできたようです。
    先週の金曜日に1年生の初授業がありました。開始のチャイムが鳴るまでは結構会話も弾んでいる様子でしたから、仲間ができてきたということでしょう。例年、連休が明けると、会話のにぎやかさが増すのですが、まだ、授業中は静かに聞いてくれています。「居眠りは自己責任で対処すればいいけれど、授業中のおしゃべりは熱心に聴講している人の迷惑になるからしないでね」と話をしました。相対的には健康栄養学科の学生の聴講態度はよいと思います。管理栄養士・栄養士という人の命にかかわる専門職をめざすのですから、当然のことかもしれません。連休明けも、授業中、「静かにしてください!」という回数が少ないままでありますように。
    土曜日は長野県栄養士会中信支部総会でした。議事のあと、本学観光ホスピタリティ学科の八木雅子先生が「高い満足度に必要な相互理解」というテーマで講演をしてくださいました。松本大学健康栄養学科の教員がたくさん参加していたので、緊張してしまったとおっしゃっていました。航空会社の客室乗務員をなさっていた前職のご経験を踏まえたお話の中には、管理栄養士・栄養士の仕事にも通じることがたくさんありました。
    「人は、食べているときが幸せなとき、それを届ける仕事をしているものは笑顔でなければいけない」、「対象とする人に満足を得てもらうためには、相手のことを意識すること、伝える努力をすること、個々のニーズに合わせて対応することなどが必要」、「相手に好印象を与える身だしなみや表情が重要」とお話くださいました。そして何度も出てきた言葉「目配り、心配り、気配り」。松本大学から巣立っていく学生たちが、そういう資質をもった管理栄養士・栄養士になってくれるよう私たちも努力したいと思います。

2012年4月12日木曜日

栄養教諭をご存知ですか?

     栄養教諭という教員職をご存知ですか? 栄養教諭は、学校における食育の中核を担う方々で、「食に関する指導」と給食管理を一体のものとして行います。学校給食は「食に関する指導」の教科書のような役割を持っていますので、教壇で教えるだけではなく、給食づくりも重要な職務のひとつなのです。
  長野県では、すでに学校栄養職員として働いている方を栄養教諭として任用し直すための試験を実施し、毎年少しずつ栄養教諭を増やしてきています。現在、数十名の栄養教諭の先生方がいらっしゃいますが、皆さん、学校における食育の推進に力を発揮してくださっています。
  昨年度、長野県学校給食会主催で「学校給食に地場産物を活用した料理コンクール」が開催されました。私は、審査委員長を務めさせていただきました。その折にも最終審査に残られた栄養教諭の皆さんの強い熱意を感じました。

  松本大学の健康栄養学科では、開設された当初から、栄養教諭の一種免許を取得できるようにしていました。本年度からは、大学院の健康科学研究科で決められた単位をとると、栄養教諭の専修免許状が取得できるようになりました。今年、健康栄養学科を卒業して大学院に進学した学生のうち何人かは、専修免許状の取得をめざしています。皆さんが卒業する頃に、長野県も新任の栄養教諭の採用試験を実施するようになることを願っています。

    長野県の学校栄養職員として学校給食に携わっていた教え子からメールが届きました。私が前に勤めていた大学での最後の教え子です。今年から栄養教諭になったといううれしいお知らせでした。
彼女が着任したセンターは、今度、研究のフィールドとして連携していく予定になっている中学校に給食を提供しています。栄養教諭が配置されるらしいと聞いてはいたのですが、それが彼女だったことがわかり、びっくりしました。一緒に活動する日が、楽しみです。

2012年4月9日月曜日

学生食堂と「函館の女」

    新年度の授業がスタートし、学内に活気が戻ってきました。1年生の皆さんは、90分授業に戸惑っているかもしれませんね。90分の授業時間を長く感じなくなったら、大学生活に馴染んできたと考えていいと思います。
  松本大学には生協が運営する学生食堂が2つあります。人間健康学部のある6号館に近いフォレストホールと短大部の皆さんにとって便利なカフェテリアの2つです。日頃、私は、ほとんどフォレストホールを利用します。近いからです。ところが、最近、カフェテリアに行くことが多くなりました。どうしてかといいますと・・・カフェテリアのみに、地域の野菜を利用したサラダバーが設置されたからです。単位重量あたりの単価が設定されていて、自由に盛り付けて秤にのせて料金を支払うという方式です。栄養・食生活の面から健康づくりを考えている健康栄養学科のメンバーとしては、大歓迎の取組で、皆さんに積極的に利用してほしいと思います。
  カフェテリアに向かって歩いているときに、北島三郎のヒット曲である「函館の女」という歌を口ずさんだりしています。若い学生の皆さんは知らない歌でしょうか?
  カフェテリアは、松本大学のキャンパスのなかでも、私たちがいる6号館から離れた位置にあります。フォレストホールまでは私の足で130歩ほど、カフェテリアにいくにはその約4倍の500歩以上の歩数を要します。カフェテリアに向かって歩いていると「はーるばる来たぜー・・・・」と「函館の女」の冒頭の歌詞が浮かんでくるのです。
  歩数を稼いで運動しつつ、頭のなかで「函館の女」を歌いながら、野菜料理を食べに行くというわけです。

2012年4月7日土曜日

4月の雪と「食スキルを伝えること」

     雪の朝です。今日はMy Carのタイヤをノーマルタイヤに履きかえることにしています。毎日走る高速道路は、雪が積もると冬用タイヤの車しか走行できないことが多いので、履き替えが今頃になってしまいました。明日以降が少し心配です。
      最近は、ディーラーさんのサービスが充実していて、有料で保管してくださるというので、ノーマルタイヤはお預けしたままです。しばらく前までは自分でタイヤ交換をしていました。こういうサービスが普及するとタイヤ交換のスキルを持たないドライバーも増えるということでしょう。
      「食スキル」も同じかもしれません。外食やスーパーマーケット・コンビニエンスストアなどの調理済み商品を利用し、家庭で料理づくりをしなくても簡単に食事を用意することができるようになりました。これまでは家庭の中で次の世代へと受け継がれていた食スキルが伝わりにくくなっていると思います。健康長寿県として全国から注目される長野県でも、その基盤となっていたであろう日常食に関する知識や技術がきちんと伝承されているとはいえません。
      家庭での伝承がうまく行われないのであるとすれば、別のルートをつくっていく必要があると考えています。今年はゼミナールでそんなテーマにチャレンジしてみようと考えています。

2012年4月5日木曜日

ふーっ! ひと山、超えて、次の山へ!

     私は大学で、主として栄養教育という分野の授業を担当しています。管理栄養士養成課程用の「栄養教育論」という教科書の分担執筆を依頼されていました。この仕事の優先順位がなかなか上がらず、締切日をずっと、ずっと、ずーっと、過ぎてしまいました。
  多方面でお世話になっている編者の先生、共著者の先生方、出版社の編集担当者さんに本当にも申し訳ないと思いつつ、仕上がったところから何回にも分けて送っていました。編集者の方には、「もう少しですね!」と励ましていただき、編者の先生が「廣田さんなら、待っていて大丈夫!」と太鼓判を押していると聞いて、「ご迷惑をおかけするのが心苦しいので、先生、残りの分を書いていただけませんか」とも言えず・・・。
  Blogを書いている暇があったら「早くやりなさい!」としかられてしまいますね。Blogの原稿と違って、構想を練り、パソコンと向かい合って原稿をまとめていくためには、結構パワーが必要なのです。スポーツ選手が勝負どころで一気にパワーを発揮するために、筋肉中のグリコーゲン蓄積量を増やそうとするのと同じような感じです。向かいあったまま、パワー不足で、キーをたたかず、PCを閉じることもありました。
  その仕事にやっと区切りがつきました。この間、講義内容について考え整理してきたことは、きっと自分の授業に活きてくると思います。しかし、学会等で関係者の先生方にお会いしたら、皆さんにお詫びをしなければなりません。本当にごめんなさい、そして、ありがとうございました。
  ひと山越えて、ふーっと一息ですが、目の前にはまだまだ山々が連なっています。ふーっ!!

2012年4月3日火曜日

期待膨らむ「入学式」

    卒業式の日と同じように、入学式の今日も雨でした。さくらの開花が間近と思えるようなうららかさはありませんでしたが、住吉学長のご希望で今年から式の中に盛り込まれた入学生代表挨拶は、キリッとしたもので、そのあいさつに似つかわしい日だったように思えます。入学した学生の皆さんが、これから4年間いろいろな学びをしてくれるに違いない―そんな姿が目に浮かぶような挨拶だったのです。プレオリエンテーションの日に感じた印象と似ている気がします。
  松本大学がめざす教育を知った上で、「だれかのために働くことができる人として成長するために、座学だけではなく、さまざまな形で学びを深めていきたい、大学生活において困難に直面するときがあってもそれを乗り越えるという経験が、その後の人生で生きてくるに違いない」と。
  学生たちが生き生きと学び活動するイメージが頭のなかに広がっていきました。新入生のだれにとっても、松本大学での日々が充実したものでありますように
  卒業式の日にも思ったのですが、個人的には、松本大学に来てから5年半、年に数回しか聞くことがない松本大学の校歌が歌えるようになっていました♪♪。自分でも感慨ひとしお・・・です。

2012年4月1日日曜日

新しい箸と「凛とした姿勢」


香合と My竹箸
    自分のことはさておき、立ち姿がきれいだったり、座ったときに背筋がピンと伸びている人はステキです。食事のときの箸使いがきれいな人もステキだと思います。
    3月に卒業したゼミ生の一人が、箸使いを卒業研究のテーマにしていました。彼女の実験では、きちんと箸が持てる人と持てない人で、つまむ、運ぶ、切るなどの箸使いにあまり差はないという結果でした。しかし、必要とされる場面で、きれいな箸使いができることは一つの財産だと思いませんか?
    新年度の今日から箸を変えることにしました。今年の2月に、京都府立大学で開催されたGPフォーラムにシンポジストの一人としてご招待いただいたときに、京都で買い求めた箸です。その繊細さが目にとまりました。以前、木曽漆器のお店で、茶色一色に塗られた細身の箸を見つけたのですが、そのときは購入する踏ん切りがつきませんでした。今回は、お店の方から「竹で作られているので、強さもあっていいですよ」とすすめられました。京都御所に雪が積もった朝だったので、その凛とした感じがなんともしっくりしてしまったのだと思います。
   今日だけでも「凛とした姿勢」で食事をしなければと思います。